節約の心得① ~節約は「いくら削れたか」ではなく「どう使い切れるか」の勝負~
私の節約術「セツヤクエスト」、という面白そうなキャンペーンやってるんですね。
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「お金のこと、見直してみませんか」をキャッチフレーズに「若い世代にもう少しお金のことを考えてもらいたい」という意図のようです。
そう。
お金って、すっごく愛されたり、とっても忌み嫌われたり、私たちに極端な感情を起こしやすい代物。それだけに、じっくり冷静になって「お金」について考えてみることって意識しないとなかなか難しいんですよね。
世の中で一番大事なものではないけれど、やっぱり「お金」はこの資本主義社会において相当大事なものとして学ぶべきものではあるはず。
ちょうど私の中でも「お金」について書きたかったテーマがいくつかあるので、良い機会ということで私もキャンペーンに乗っかって少し書いてみたいと思います。
今回は、私が考える、節約を始めるにあたって必要な心構えについての紹介です。
①節約は「いくら削れたか」ではなく「どう使い切れるか」の勝負
節約と言いますと、100円でも1円でも、どれだけより多くの支出を削れるかの勝負のイメージになりがちです。
今、適当に「節約」や「節約術」を検索してみても、「こうすれば支出がこれだけ削れる!」とか「1ヶ月に○○円貯まる!」などの文句が並びます。
さながらこれは、節約できた「○○円」をスコアに競い合うゲームのような様相です。
確かに「節約」という行為の言葉上の意味はまさにその通り「無駄な支出を抑えること」なので、「いくら削れたか」という点が大事な要素であることに違いありません。
しかし、節約を始めるにあたって本当に最初に考えておきたいのは、逆説的に聞こえるかもしれませんが、「何をどう削るか」ではなく「何にどう使うか」です。
具体的に言えば、「節約することで何円削れたか」に一喜一憂するのではなく「節約することで代わりに何を手に入れることができたか」に評価基準を持つ、ということです。
これは考えてみればすごく自然なこととお分かりいただけるはずです。
お聞きしますが、私たちが節約を通して最終的に得たいものは何でしょうか。
「お金」ですか?
違いますよね。
「お金」なんて、それそのものでは、単なる紙切れや金属の塊あるいはパソコン上の数字でしかありません。
それは使われて物やサービスに替わることで価値を発揮するものです。
ですから、節約という「物やサービスを抑える行為」を通して、本当に欲しいものは「お金」ではなく、「他の物やサービス」であるはずです。
実際、
「コレが欲しい」
「アレにお金が必要」
など、人が節約を志すきっかけとして「ある欲しいものを手に入れるため」「必要な支出があるため」という気持ちが背景にある場合は少なくないでしょう。
そんな「お金以外の○○」ために「支出を減らして○○に必要なお金を貯めよう」と考えるのが、本来の「節約」の立ち位置。この場合、「お金を貯めること」は大事な中間目標ではありますが、最終目標ではありません。あくまで、最終目標は「ある欲しいものを手に入れること」「必要な支出を満たすこと」で、「お金を貯めること」あるいは「節約」は手段に過ぎないはずなのです。
節約の目的は「より多く貯めること」ではなく「より良く使うこと」。
「貯める」ことより「使うこと」が最も本質的な要素です。
この方向性を間違えた節約は無為に終わってしまうと私は考えます。
自分の中で「何に使おうとしているのか」や「何にお金が必要なのか」などの最終目標を節約を始める前にしっかり押さえておかないから、せっかく節約で浮いたお金をよく分からない高級そうなものに使ってしまったり、ただただ貯めこんでしまったりするのです。
いくら高級品でも冷静に考えればそんなに要らなかった物を買ってしまったらそれは「無駄遣い」であって、今までの節約の頑張りを無に帰す行為です。
あるいはお金を貯めこんで、適切な時に使わずに終わったとしたら、本当はもっと色んな物を買ったり、色んなことを楽しめたチャンスをただ失っただけです。
これらの失敗は、ダイエットの失敗にも似ています。
何のために、どうしてダイエットをするか意識してないから、ちょっと外をウォーキングしただけで、「今日は頑張ったからいいよね」と衝動的にお菓子を食べてしまい、結局痩せられません(私です;)。
また、どういうバランスの体型が適切かのイメージを見失い、カロリーを抑えることが至上目的になってしまえば、拒食症に陥ってしまいます。
これらが適切なダイエットかと聞かれて、「そうだ」と言う方はいませんよね。
このように、いわば節約は、足りなくても負け、やり過ぎても負け、のゲームです。
ダイエットが体重0kgを目指し体重を落とし続ける戦いではないように、節約も決して支出0円を目指し支出を削り続けるゲームではありません。
どこか適切な着地点に降りたち、それを維持する、つまり「収支プラスマイナスゼロ」のポイントを目指す意識が必要です。
自身の収入の中で、いかに自分の満足度が一番高い「収支プラスマイナスゼロポイント」――どんな「自分にとって最高の使い切り方」を見出すかが、この「節約」というゲームの醍醐味なのです。
言わずもがな、人によって欲しいもの、必要なもの、は多様です。
ですから、「どう使い切ればいいのか」というこのゲームの勝敗基準は、自分にしか分かりません。
しかし、一度試合が始まってしまえば、目の前を「お金」や「何をどう削るか」という中間報告がチラつき、冷静に考えることが難しくなります。
だからこそ、節約は始める前に考えないといけないのです。
あなたが欲しいものは何か。
あなたが優先したい価値は何か。
あなたは本当は何にお金を使いたいのか。
すなわち、「あなたがどう生きたいのか」を。
船乗りが航海の際に、航路の目安となる不動の北極星を確認したように、節約を始める前にあなた自身の中でそんな不動の「コンパス」を持てば、セツヤクエストの波の中で遭難することは無いはずです。
というわけで。
Bon voyage.
良い航海を始めましょう♪
P.S.
ええと。
本当は何箇条か用意してたのですが、案の定、心得その1だけで思った以上に長くなったので・・・次項以降はまた書きます(笑)
次回、心得その2は「節約するものはお金だけじゃない(仮題)」の予定です(多分)。
乞うご期待?
なお、「使い切り方」と言うと、短期間ですぐ使い切らないとといけないようにも聞こえちゃうかもしれませんが、中長期的な目標でももちろんOKです。
子どもの学費とか老後の資金とか色々ありますよね。
ただ、それがあんまり具体的でなく「何となく不安だから将来のために残しておこう」というのは、ともすると変な時に変なことでついつい使ってしまったり、残しっぱなしになってしまったりと、難破するおそれがあります。
あくまで、なるべく「何年後に△△のために○○円必要見込」などと具体的な目標である方が良いと思います。
未来のことは分からない、不安。
確かにそうなのですが、それならば、「何となくお金を残しても仕方がない未来」が来る可能性についてもやっぱり考えないといけないのだと思います。
ともすれば、私たちは明日にも死なないとも限らないのですから。