雪見、月見、花見。

ぼーっと考えたことを書いています。

結婚という重すぎるコンテンツ

この間、年下の女の子とご飯を食べに行ったんですが、その時に結婚についてのトークになりまして。

 

彼女は言いました。

「結婚したくなくはないんですけど~、もうちょっと遊びたいというか。せめて後数年は結婚せずに遊んでたいです」

 

・・・。

 

「あんた、そんなこといって20代後半になってから困っても知らないよ・・・」と内心毒づきながらも、「あー、でも確かにそういう感覚あるよねぇ」と共感するところもあって。

補足しておきますけど、文脈上、彼女は男遊びしたいーって言ってるのではなくて、単純に友達と遊んだり、レジャーに出かけたり、飲んだり食ったりなどなど、そういうわりと普通の遊びのことです(あ、でもやっぱり男遊びも含んでるかも・・・?)。

 

 

確かにそうなんですよね。

既婚の友人たちは、どうしても「家庭があるから」ってことで、なかなか一緒に遊ぶことができなくなってしまって、そのアポ取りもすごく一苦労です。

「今からあそぼー♪」って、気軽なお誘いができなくなっちゃいました。

そういうところからも、結婚すると遊べないってのは現実として実感するところではありまして。

 

女性の社会進出がどーとか、色々晩婚化の理由は叫ばれてますけれど、だから案外こういうところがその理由なのかもと思うのです。

 

   ◆

 

――結婚する前に遊んでおきたい

 

この言葉の背景って、アレにすごく似てるんですよね。

青春を謳歌してる学生さんたちに、社会人が「今のうちに存分に遊んでおきなよー、社会人になったら忙しくて遊べないからね!」と言うアレです(参考:「学生のうちに遊んでおけ」という言葉の裏にある悲しさ - 脱社畜ブログ)。

冷静に考えてみれば、社会人になったからといっていきなり遊べなくなる方がおかしいはずなのですが、やっぱりそういう空気がありますよね。いくら憲法に自由がうたわれて、いくら労働基準法で過労を抑制していても、ルールでもなんでもない「空気様」の方がよっぽど強いと言いますか。

 

結婚もそういうところが最近あらわになってきてるんですよ、きっと。

結婚だって、民法やらに色々書いてありますが、戸籍とか財産とかを規定してるものであって、基本結婚したからといって自由が大きく失われるような規定ではないようです(あ、不貞行為はダメになりますけど)。別にお互い勝手に遊びに行ってもいいはずです。

ですけど、やっぱり「空気」がありますよね。

結婚したら「相手に、家庭に、尽くせ」っていう。

 

仕事が終われば脇目もふらずにまっすぐ家に帰るべき。

家事を最優先して、留守の家をほっぽり出して出かけるなんてもっての他。

 

そんな空気。

 

この空気があるせいで、結婚すると遊べないってイメージがどうしても強くなって、「結婚する前に遊んでおきたい」ってみんなついつい思わざるを得ないんです。

多分これは男性も女性も両方とも共通した認識のように思います。

 

だから、知らず知らずに結婚するのを後回しにするようになって、どんどん晩婚化が進んでいっちゃって。

 

就職環境が悪くなれば悪くなるほど、進学率が高くなっていく。で、結局博士号まで取って就職出来ない人が続出する、そんな感じです。

 

   ◆

 

――女性の社会進出が晩婚化の原因

 

さっきもちょっと出たこのお言葉。

うん、確かにそれも原因の1つなのかなと思うのですけど、これって基本的には「女性が自分でお金を稼げるようになって自立できるようになったから云々」って話ですよね。

でも、例えばさっきの彼女も、彼女の業務ではお給料すっごく安いんですよ。その働きっぷりから見たらもっとあげてもって思うのですけど、悲しいかなやっぱり安いんです。仕事柄、将来出世して給料が上がっていくって感じでもないですし、経済的な観点から言えば、彼女は「結婚したがらないとおかしい」タイプです。

でも結婚したがらないんですよ。

だって、遊ぶのが楽しいから。

実際、彼女には友達が多くて、このあいだは誰それとコレした、このあいだは誰それとアレしたという話をたっぷり聞きます。定時に上がれるってことも大きいんでしょうけど、彼女の「遊び」の充実ぶりがうかがえます。

 

だから、お金の有る無しじゃないんですよ。

むしろきっと、こういう遊びと結婚というコンテンツ同士の競い合いにおいて、結婚というコンテンツが押されつつあることが晩婚化の背景にあるんですよ。

 

 いつかは結婚したい。

 でも、今はまだ遊びたい。

 

こうやって、できる限り結婚を後回しにしたくなる。

それだけ「遊び」の魅力が高まっていて、それだけ「結婚」の魅力が下がってしまっているのです。

 

   ◆

 

――最近の若者は結婚を軽く考えすぎ

 

こんな言葉を聞くことがあります。多分、すぐに離婚したり、結婚するにしても「できちゃった結婚」だったり、そういうところを指して言われてるのだと思います。

ですが、私は逆だと思うんです。

最近の若者は結婚を重く感じてるんです。

重く感じるからこそ、離婚するんです。重すぎる決断だからこそ「子どもでもできちゃわないと」踏み切れないんですよ。

軽いものならとりあえず持っておけますけど、重すぎるものは持ち上げるのも大変ですし、すぐに持ちつづけるのはしんどいですし、そして持ちきれなくなれば捨てざるを得ないのです。

 

 

ネットをするのもパソコンからスマホになり、据え置きだったゲーム機が携帯ゲーム機だらけになり、家も持たず、車も持たず、何はともあれ断捨離断捨離・・・

と、今や、重厚長大が滅び、いかに身軽になるかが勝負の分かれ目の時代です。

 

 仕事しないで遊んでおくのが楽しいけれど、仕方ないから仕事する。

 結婚しないで遊んでおくのが楽しいけれど、仕方ないから結婚する。

 

仕事も結婚も、そんな「仕方ない」なんて思われる「重さ」はどうなんでしょうか。

もっと軽くて楽しいコンテンツがどんどん増えてきてる今の時代で、そんなに重くていいのでしょうか。

 

 仕事もしながら、遊びにもいける。

 結婚してるけど、遊びにもいける。

 

仕事や結婚という伝統あるコンテンツも、今、こういう身軽さが求められているんです。

どっちも今は重すぎです。どちらの「空気」も今は太りすぎです。

自分に「尽くせ尽くせ」って言ってくる人はウザいですよね?

そうでなくて、自分から「尽くしたい」と思わせる、そんな魅力的でスリムな存在にダイエットするべきなんです。

 

 

ダイエットの始まりは体重計に乗るところから。

「仕事」も「結婚」も今の自分の体重をまず自覚してみないといけないんです。

 

 

カチャッ(「結婚」が体重計に乗る音)

 

 

ほらね、重すぎでしょ?

 

 

 

 

 

P.S.

はい。

とゆことで、ぜーんぜんロマンチックじゃない内容ですが、皆様メリークリスマス♪