なぜ、女性社員は使えないのか? だそうです。
というまとめ記事を見かけました。
(・・・のですが、しばらくぶりに見ますとリンクが切れているようなので、別の参考記事としてコチラなどをどうぞ⇩
「結婚・恋愛ニュースぷらす : 女性社員は使えないのか? 男性社員が批判 「そもそも女性は意欲に乏しく、感情的になりやすく、責任感が薄い」」
「「やっぱり女は…」男性意識が招く職場の悪循環 :日本経済新聞」
2013/04/24追記)
元記事は会員専用の記事のようで途中までしか読めませんでしたが、スレッドの反応を読んでいると、本当に胸が痛くなります。
「女は黙って家を守ってろ」
「すぐに感情的になる」
「甘ちゃん」
「女の歴史は、産む機械という域を出ていない」
などなど。
極めつけはこれです。
「やれ結婚だ出産だ子育てだ・・・
まともに仕事に時間が裂けないなら社会進出しないでくれ」
私から言わせてもらいますと、「この人たちは問題の本質を分かってない」と思います。
正直に言いますと、現実、確かに平均的に見ると男性より女性の方が「使えない」という印象を私も持っています。
ですが、だからといって女性が男性よりも能力が劣っているとは思っていません。
私には、男性が女性より「使える」ようになっている理由が分かるからです。
その理由とは、日本中、どこもかしこも過酷な労働条件ばかりであることです。
残業は当たり前、有給休暇も使わせない。
産休を取ろうとすれば眉をひそめる。
こんな職場ばかりだからです。
賭けてもいいですが、世の中が9時17時勤務ばかりで育児援助のサービスも潤沢になったら、男性はその地位をかなり脅かされると思います。
少なくとも生物学的に優位だなんて勘違いしている男性はまっさきに落ちこぼれることでしょう。
所詮、男性が有利なのは「長時間連続して働ける」からに過ぎません。
それは体力があるから一日のうちでもいくらでも働けるという意味ではなく(っていうか女性はけっこうタフです)、「妊娠・出産・育児」の主役から逃れて、バカみたいに仕事だけを延々とすることができるという意味です。
先日の記事「妊娠ノ自由」でも触れた話なのですが、「妊娠・出産・育児」というのは非常に大変なイベントです。
どこぞの男性陣のようにいくらでも仕事だけやってるわけにはいきません。
なのに、日本中、どこもかしこもひたすらに長時間働くことを求めます。
そんな中、「妊娠・出産・育児」を行うことは不可能ではないまでも、途方もなく大変な冒険です。
「妊娠・出産・育児」は日本の労働環境と絶望的なまでに相性が悪いのです。
そして、世の女性たちもバカではありませんので、早いうちからこのことに気づいています。
一部の勇敢な女性たちは、「バリバリ仕事をすること」と「妊娠・出産・育児」の両立を狙いますが、多くの平凡な女性たちにはそれはあまりにも過酷すぎます。
結局、女性には「仕事のみで生きる」か「妊娠・出産・育児」のどちらかを選ぶか、せいぜい「簡単な仕事+妊娠・出産・育児」ぐらいしか道が残されていません。
でも女性にとって「仕事」も「妊娠・出産・育児」も魅力的でどちらも捨てがたいものです。
そして、どちらかに早々とえいやと飛び込むわけにもいきません。
まず、「妊娠・出産・育児」はパートナーがいないとできないことですので、自分一人で勝手に決められることではありません。
それではと、「仕事」を選ぶにしても、同じように見えて男性が「仕事を選ぶ」のとは意味が違います。
この場合の「仕事」を選ぶということは「妊娠・出産・育児」を自分の人生の上で完全に放棄することと同義です。
「バリバリ仕事をしながら」「奥さんに妊娠・出産・育児」をやってもらえる男性とは違うのです。
女性にとっては誰も代わりに「妊娠・出産・育児」をやってくれないのです。
簡単に選ぶことはできません。
こうして、女性は基本的にはギリギリまで両方の可能性を残しながら生きていくことになります。
両方の可能性と言うと、前向きな印象になりますが、実態は「迷いながら」生きていくことに近いと思います。
「迷うこと無く」仕事に打ち込める男性とは、仕事に対する態度に違いが出てきてもおかしくはありません。
そしてそれが「使えない」という現象になる可能性は、残念ながらあると思います。
ですが、それを「覚悟が足りない」と一蹴してよいものでしょうか?
覚悟が決められないのは、彼女たちのせいでしょうか?
社会が何だか歪んでしまっているからじゃないでしょうか?
少なくとも「その覚悟の意味」が理解出来ない男性には文句を言われる筋合いは無いでしょう。
もしそれでも文句があるなら。
男性の方が女性より優秀だと言いはるのであれば。
男性が女性と同じ土俵に立ってみればいいんです。
女性が「妊娠・出産・育児」をしながらでも「仕事」に支障が出ない社会にしてみればいいんです。
その上で「仕事」で真っ向勝負してみたらいいんです。
ほら、インチキはもうやめにして。
早くその長時間労働の鎧を脱いでみてよ。
多分その時にはみんな気づくはずです。
その鎧がどんなに重いものだったのか。
身を守るためにどれだけ自分を縛っていたのか。
今までどれだけバカなことをしてきていたのか。
そして思うはずです。
どっちが優秀かなんてどうでもいいことだったんだなって。
私たちは敵同士じゃなくて、味方だったんだなって。
以前には想像もできなかった、こんな幸せな社会を一緒に築けるんだなって。
・・・そして最後はみんな笑顔に。
参考記事(2013/04/25追記)
女性が優秀にもかかわらず採用されない理由 (1/2) : J-CAST会社ウォッチ
女子大生でも分かる、3年間の育児休業が最悪な結果をもたらす理由。(中嶋 よしふみ) - 個人 - Yahoo!ニュース