雪見、月見、花見。

ぼーっと考えたことを書いています。

マクドナルド苦戦の理由を「てりたまバーガーセット」を食べながら考えた

病み上がりなので、ちょっとゆるめのお話を☆

 

 

先日、マクドナルドで「てりたまバーガー」を食べたんです。

私は「てりたま」が大好きなので、ちょうどマクドの前を通りがかった時に時間とお腹が空いていたので入ることにしました。

 

こちらでお召しあがりですか~。

 

はい、そーですー。

 

そして、出てくるマイフェイバリット、「てりたまバーガーセット」。

子どもの頃から何度も味わった「てりたま」の味は、今年も変わらずとても美味しかったです。

そしてそして、サイドのポテトもまたとても美味しいのですよね。ちょうど揚げたてにあたったみたいで、ラッキーでした。

お口が騒がしくなったら、コーヒーをすすりつつ、これまたほっこり。

 

そんな感じで、私は満足至福でございました。

 

 

その味を堪能しつつ、セットの半分ぐらいを一段とぽっこりしたお腹に収めた頃。

ちょうど休憩にも良いタイミングだからちょっとゆっくりしようと、kindleで買いためた本を読むべく私はipad miniを取り出しました。

 

で、その時気づいたんですよ。

 

 

ぎゃー、手ベトベト!

 

 

そうなんですよ、手ベトベトなんですよ。

なので、「こんなんじゃちょっとipadさわられへん」と、結局、私は渋々kindlingを諦めました。

 

 

仕方なく黙々とセットを食べ終わって、残るコーヒーを傾けながら、ちょっとボーッと考えていました。

 

あー、最近マクドナルドの売上が落ちてるとか、苦戦してるとかって、もしかしてこういうことなのかな、と。

 

 

  ◆

 

 

例えば、バーガー。

あれって、食べてるうちにちょっと中身が傾いてきちゃって、特に「てりたま」みたいな中身がしっかりしてて、濃厚ソース型のバーガーだと、ソースやマヨがちょっと手についちゃったりしませんか?

私が不器用なせいも多分にあると思うのですけど、ともかくもそれなりに手がベタベタになりやすいですよね。

 

で、たとえ「バーガーを食べるのにソースを手につけるような愚は犯さない!」というような器用な方でも厳しいのが、ポテト様ですよ。

 

あれはやっぱり手でつまみますよね。

揚げたてでも手で取りますよね。

で、サクサクっとやっちゃうじゃないですか。

むさぼっちゃうじゃないですか。

で、そうこうしているうちに手はベタベタですよ。

基本、ポテト=手ベタです。

かといって、マクドにいってポテトを頼まないことがあるかといえば、やっぱ頼んじゃいますよね。外せないじゃないですか、ポテト。

強いてポテト避けるとしてもナゲット男爵になっちゃうじゃないですか。でも、結局コイツも手ベタ野郎ですよ。

 

だからやっぱりどうしても、マクド=手ベタなんですよね。

手ベタの何がマズイかというと、先ほど私がkindlingをあきらめたように、今をときめくスマホやタブレットなどに触りにくいことなんです。

 

そりゃ多分、そのまま触っても動くと思うんです。ベタ手でも。

でも、画面ベタベタになるのって、やっぱ嫌ですよね。

後で拭けばいいって分かってても、それなりにスマホやタブレットなどの機器は高価でもありますし、何となく思い入れもありますし、多くの方はついつい大事にしちゃうのではないでしょうか。

 

片手だけベタにして、もう片方の手でスマホいじればいけるかとも思ったのですが、御存知の通り、偉大なるガラケー様と違い、片手で持ちにくい・いじりにくいのが最近のタッチデバイスの悲しいところ、どうしてもついついベタ手が触れてしまうのですよ。

片手操作不可能ではないかもですが、何にしてもそんな工夫や注意が必要なのはやっぱりマイナス点。

 

 

そうすると、せいぜいマクドで存分にスマホいじれるのは、バーガーやポテト食べ終わって手をしっかり洗ってからということになります。

 

ああっ・・・そんなの面倒くさいっ!

 

世のお父さん、お母さんには怒られるかもしれへんけど、ダラダーラ、グダグーダしながら食べたいんですよ、私は!

 

もちろん、「手がベタつく」ということ自体は、マクドナルド始まって以来ずっと変わりないことのはずなのですが、今日になってスマホやタブレットなどの触る端末が普及したことによって、「スマホ触りたいのにベタつくのが嫌やな」と、その「ベタつく」というデメリットが大きくなってきたとは考えられないでしょうか。

 

私が、マクドナルド凋落の一因なのかもと思ったのは、このことなのです!

 

 

  ◆

 

 

 ということで、今回の記事は終わりです・・・としたいところですが、さすがに「ベタつく」だけを理由にすると乱暴なので(笑)、もうちょっとだけマジメな考察も加えておきます。

素人分析ですが興味のある方はどうぞ。

 

 

昨今のマクドナルドの苦戦を考えるにあたっては、そもそもマクドのようなファストフードが何故流行ったのか、これほど普及したのかというところがポイントなんだと思います。

 

ファストフードの流行の秘訣は、私が思いますに、同じく苦戦している牛丼業界の老舗「吉野家」のキーワードでもあります、「安い」「早い」「美味い」です。

 

「美味い」ものはお金や手間暇をかければ、この世にはもっともっとあるでしょうから、正確には「安くて、早いのに、(値段相応以上には)美味しい!」というところでしょうか。

優先順位はあくまで「安い」と「早い」にあるわけです。

 

その中で、「安い」のが良いのは当然かもしれません。そりゃ、誰だって安い方がうれしいですよね。

 

では、残る「早い」という要素が人々に求められたのは何故でしょうか?

 

確かにマクドのようなファストフード店では、注文したらあっという間に食事が出てきます。そしてあっという間に食べ終えることができます。

ほんと早いです。

その所要時間たるや、下手をするとどっかのレストランに入ってウェイターさんが注文を聞き終わるまでの時間にも満たないかもしれません(水もなかなか出てこないところもありますし)。

この特徴は、まさにファストフードの真骨頂ですよね。

 

ただ、じゃあ、何故みんなそんなに早く食事を終えたいかと言えば、家あるいは職場あるいは学校など、他の場所でゆっくりしたいからに他なりません。

食事にかける時間を節約したくなるほど、他の場所で時間を過ごすことや、作業をすることをしたがっているから、急いでいるのです。

 

つまり、逆説的ですが、みんなが「早い」ファストフードを求めたのは、実はあくまで「ゆっくりしたいから」なんですよね。

 

 

――ドリルを買いに来る人は、ドリルが欲しいのではなくて、本当は穴が欲しいのだ

 

 

という、有名なことわざがあるのですが、ファストフードも実は同じで、「食事を早く済ませること」を求めているというよりは、実は本質的には「家や職場などゆっくり過ごす時間を確保すること」を求めているわけです。

特に現代人は忙しいと言われていますから、生活や仕事にかける時間の余裕が生み出せるファストフードは大変助かる代物だったと考えられます。

そして、その上で「安くて」「(そこそこ)美味い」のですから、文句ありません。

これだけ広く普及するのは無理もない話と言えます。

 

 

  ◆

 

 

しかし、忙しい現代社会、特に高度成長期にはピッタリの、時代の寵児ファストフードにもついに大きな時代の転換点を迎えてしまったのです。

 

モバイル機器の発達です。

 

ファミレス・喫茶店・そしてファストフード店、下手したら公園のベンチや南の島のビーチ――そのように好きな所で仕事をする「ノマド」と言われる人種も登場していることからお分かりのように、今や職場と職場以外の境界線が薄れてきています。

書類やデータのやり取りも、連絡も約束も、下手したら会議だって、どこでだってできるようになってしまいました。

 

また、仕事環境だけでなく、娯楽も変わりました。

急いで家に帰ってテレビを見ようとしていた時代は終わり、みんな個人仕様のスマホでネット上で色んな記事を読み動画を見、ゲームをして楽しむ時代です。

家に帰らないとできなかったはずの、そんなダラダラした時間の過ごし方も、今やどこでもできるようになってしまいました。

 

こうなると、以前まで求められていた「家や職場でゆっくりしたい」という需要は変質し、ただ「どこかでゆっくりする」ことが求められるようになります。

なぜなら、もはや家や職場という場所にこだわる必要性が弱まってしまったからです。

つまり、早く家に帰ったり、職場に向かったりする必要が薄れたのです。

 

これはファストフードにとって大変な事態です。

なぜって、ファストフードの人気の秘訣だった「早い」という要素は先ほどの喩え話での「ドリル」でしかないのですから、「穴」が別の手段で手に入ってしまえば「ドリル」の必要性がなくなるからです。

 

もはや、世の中の需要は、「早く食べられる場所」から「ゆっくりできる場所」に次第に切り替わってきているのです。

 

 

例えば、マクドナルドが集客力を増やすべく「100円マック」という格安の商品層を出したところ、集客は確かにアップしたものの、ほんとに「100円マック」しか頼まない人が多くて、お客さん一人あたりの単価が安くなってしまったという話があります。

 

バーガーの100円キャンペーンで客足は戻ったが、売れるのは100円バーガー、120円バーガーばかり。クォーターパウンダーやビッグアメリカシリーズといった高い価格のバーガーは売れなかった。これが、既存店売り上げが8カ月連続で前年割れになった最大の原因である

マクドナルド、客数増でも既存店売上減のワケと戦略大転換(1/3) | ビジネスジャーナル

 

これはじゃあ、100円マックだけを頼んだ人が、「100円にしてはコレ美味しいんだよね!」と100円マックという商品を心底欲しがっていた人ばかりだったかというと、私はそうではないと思うんですよ。

 

多分、そういう人たちは「場所」が欲しかったんです。「堂々とゆっくりできる場所」が。

100円は、あくまできっと「場所代」でしかないのです。

 

 

  ◆

 

 

今日においては、「早さ」ではなく「ゆっくりできること」が求められているというのは別のチェーン店の状況からもよく分かります。

 

例えば、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの外食チェーン店といえば、そう皆様ご存知「スターバックス・コーヒー」ですよね。

 

スタバは業種としては喫茶店やカフェですが、実際に行ってる内容としてはマクドナルドのようなファストフードと大きな違いはありません。

どちらも同じように、カウンターで注文を受けて、そこで作って、商品を渡して適当に座ってもらいます。

 

でも、大きな違いはその「居心地の良さ」なんだと思うんです。

 

もちろん、スタバについて「そんなに居心地いいかなぁ」という意見もあるでしょう。実際のところ、私自身もスタバはいつも混み混みなので、別に特別「居心地いい」お店とは思っていません。

ただ、ちょっと表現しにくいのですが、その「居心地よくしよう」という空気感は確かに感じるんです。

 

しっとりとした大人っぽい高級感溢れる空間で。

いつまで、本を読んでいてもノープロブレム。

いつまで、パソコンで作業をしていてもノープロブレム。

 

そんな雰囲気です。

 

スタバCEOさんも堂々とそのような方針であることを明言しているようなので、私がここで語るまでもなく、その空気感は有名です。

 

――スターバックスコーヒーには、サードプレイスという考え方があります。

スターバックスの基本的な理念ですね。ファーストプレイスがご自宅であり、セカンドプレイスがオフィスだったり学校だったり。その間をつなぐ、お客様が自 分らしさを取り戻したりくつろいだりする場所を提供したい。その場がサードプレイスです。その使われ方は、それぞれの人によって違っていいんです。

【インタビュー】スタバはなぜ無料Wi-Fiを導入したか?……CEOに聞くスターバックスの成長戦略(後編)(RBB TODAY) - IT - livedoor ニュース

 

この「ゆっくりすることが許されている」という感覚が得られる場所というは、今日における外出先では非常に貴重な存在なのだと思います。

 

もちろん、マクドナルドが長居している人を追いだそうとしているわけではないでしょう。

ただ、どうしても長らく続いた「ファストフード」としての「早い」を目指す遺伝子が強すぎて、空間が安っぽく、そして「サッと食べてサッと出る場所」という印象がみんなにこびりついてしまっているのです。

だから、世の潜在意識的にどうしてもマクドは「早く食べる場所」であって、「ゆっくりする場所」というイメージにはならないのですよね。

 

これは、良くも悪くも、ただのスタバのブランド戦略、イメージ戦略の勝利と言えますが、この「ファストフード」だからこその「早い」というイメージこそが、私にはマクドナルドのアキレス腱のように思うのです(で、手もベタつきますし!)。

 

 

  ◆

 

 

もちろん「ゆっくりしたい」だけでなく、「早い」という要素がまだまだ要求される場面もあるでしょう。

ですが、今やそのファストフードの「早い」という要素の優位も、「コンビニエンスストア」の普及で激戦の様相です。

 

コンビニではマクドナルドのセットと同じような値段でそれなりに美味しいお弁当が山のように積んであり、100円マックと同じような値段でパンやおむすびが並びます。

しかもレンジでチンもしてくれます。そういえば入り用だった雑貨や雑誌もついでに買えちゃいます。

所詮、ハンバーガーのセットを買うことしかできないファストフード店では、その「早さ」や「便利さ」さえも、新興勢力に脅かされているのです。

 

 

このように、マクドナルドの「早い」という強みが無効になり、イメージを「ゆっくり出来る場所」に昇華することもできなかった今(そしてスマホをいじろうとすると手がベタついているという儚い現実)、残るは「安い」と「美味い」だけになってしまいました。

 

先ほども書きましたように、「美味い」の面を追求するにはちょっと限界がありますから、結局のところ、「安い」しか残りません。

それが、100円マックの悲哀や、あるいは牛丼業界の値下げ競争であるわけです。

 

「安い」「早い」「美味い」という彼らを支えた三本柱が、今や彼ら自身を脅かす存在になってしまっているのです。

 

そう、その決して折れないと信じていたその三本の矢は、実は両刃の剣でもあったのです。

 

 

  ◆

 

 

という勝手な考察を踏まえて、マクドナルドさんが生き残るためにどうしたらいいか、さらに勝手に提言もしてみます。

 

簡単に言えば、こうなった以上、多分もう「安い」と「早い」を脱却するしかありません。

 

安くて、早くて、そこそこ美味い

 

ではなく、

 

美味しくて、ゆっくりできて、そこそこ安い

 

を目指すしかありません。

 

 

クオーターパウンダーという高級志向のバーガーが一時期流行ったことがありましたよね。

あれは、案外みんな「プチ贅沢」を求めている、ということがよく分かる事例だったと思うのですよ。

だから、安さを脱却するには、ああいう高級なイメージに顧客を乗せてしまうしかないでしょう。

 

しかし、残念ながら、一度ついた「安かろう、悪かろう」のイメージはなかなか除くことができないでしょう。

 

だから、もうしょうがないので既存店をいくつか厳選して、高級感溢れる内装にバッサリ変えてしまいましょう。

レストランかと見まごうような高級仕様に。

 

で、店名もいっそ「マクドナルド」から変えちゃうしかありません。

だって、マクドナルドなんてもう国語辞典にも載ってもいいほどの有名単語になりすぎました(もしかして載ってます?)。

もう今更そのイメージを変えるのは無理です。不可能命題です。

 

だから、クオーターパウンダーをマクドの名前を隠してこっそり販売した時のように、もう別店舗名で始めましょう。

 

「なんか、ちょっと美味しいハンバーガーを出す良い感じのカフェが出来たみたいよ」ぐらいのイメージがつくように。

そして、いつまでも居ていい、いつまでも居ることが許されている空気感を醸しだして。

 

 

一方、そんな高級志向では採算が取れなさそうな店舗は、潰すか、あきらめて持ち帰り限定店舗にしてしまいましょう。

そういう店舗では、逆に徹底的に「安い」「早い」を追求して勝負するしかないのです。

 

しょうがないです、人件費とテナント料を節約するしか、きっと「安い」「早い」で勝負することはできません。(ここまで書いて、確か、コンビニ店長さんもこんなこと書いてましたっけ、と思い出し。 ⇨ あ、ありました。「おれのかんがえたさいきょうのまく◯なるど - 24時間残念営業」)

 

 

そんなの無理って言われるかもしれません。

でも、どっちも改装なりの大掛かりな改革が必要なので、まだ体力が残ってる内しかできないと思うんです。

もうしばらく経ったら、このようなことを検討することさえ無理になるかもしれません。

そうすると、最終的にドカーンといっちゃうかもしれません。

 

 

そうすると、困るんですよ。

 

 

私は大好きな「てりたまバーガー」を今後もまだ食べていきたいので。。。

 

 

というわけで。

 

ブログ「雪見、月見、花見」はマクドナルドを応援しています!

 

ちゃんちゃん。

 

 

私が勝手に考えたマクドの苦戦原因まとめ

「美味しさ」=なんだかんだで世の中美味しい店はいっぱいある

「早さ」=コンビニと競合。そして世の「ゆっくりしたい」需要に逆行。

 「安さ」=というわけで、地獄の値下げ競争

「手がベタつく」=このタッチパネル時代に痛い減点

 

 

 

P.S.

あ、大それた改革が無理なら、とりあえず、ベタつき解消に、ウェットティッシュや、おしぼりなんかを、これでもかというぐらい配布して欲しいです。

それでも、なかなかベタつきはとれませんけどね・・・!

というか、適当にゆるくと思って書き始めたはずなのに、何この長文・・・Σ(・∀・;)

 

ともかく、経営とか詳しくない素人の勝手な分析なので、皆様くれぐれも半信半疑で聞くようにおねがいしますね!(多分そんな目新しい話でもないですし・・・)