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雪見、月見、花見。

ぼーっと考えたことを書いています。

電子書籍とモノ作りとフリーエージェントたち

社会

 

 

 

 

先日のid:dennou_kurageさんの「作業時間わずか30分!Kindleストアに僕の黒歴史小説が並ぶまで - 脱社畜ブログ」の記事を読んで驚きました。

 

紙媒体じゃないとはいえ、出版ってもうこんなに簡単にできるんですね・・・!

執筆はもちろんしないといけないのですが、執筆以外にかかる時間が約30分程度、出版までの審査時間も2日以内と、とてもとてもスピーディーです

実は私も「本とか一生に一回ぐらい出せたらなぁ」と思う平凡な夢見さんだったわけですが(そんな資格や実力があるかどうかは置いときまして)、気づいたら夢自体の準備を全く行ってないのに、いつのまにか夢の準備の準備は簡単&万全になってしまっていたという形です。

もはや「本とか書きたいけど、出版とか色々面倒くさいやん?」とか言って、言い訳できない時代になってきてしまいました。

出版したいと言っておいて出版できないのは、自分のせい以外の何物でもないのです。(・・・はい、ごめんなさい;)

 

もちろん、id:dennnou_kurageさんも言われるように、まだ電子書籍は未成熟な市場ではあるのですけど、どんどんとkindleなどのタブレット端末が大分普及してきています。媒体も充実し、こんなにも市場と個人(作者としても消費者としても)とのつながりがスムーズですと、これからの爆発的な発展は間違いないかなと思わせます。

 

 

  ◆

 

 

また、id:souheinaoshimaさんの「「MAKERS(メイカーズ)」を読んだ - Indirect approach」もまたさらに衝撃でした(ご本人も衝撃だったそうですが)。

 

内容の質はさておいて、形だけでOKと言われるなら、先の電子書籍は個人でもまだ何となく作れるかなという気がしますよね。絵が描けるなら画集や漫画なども不可能とは言えない気がします。

どれもペンや紙、あるいはパソコンのキーボードで、普段一応やっている行為ではあるからです。どれも、文字やドットなどの2次元の情報で表せるものだからです。

 

では、3次元のリアルのモノ作りはどうでしょう。イスでも茶碗でも機械でも何でもいいですけど。

・・・うーん、こうなってくると急にトーンが下がりますよね。

だって、それを仕事にしてるわけでなければ、普段モノ作りなんてすることはないですし、やろうとしても制作器具や機械が必要になることでしょう。難しいなぁというのが多くの人の感想だと思います。

 

でも、作れないとしても、普段「こんなモノあればいいのになぁ」とアイディアが浮かぶことってありません?

私も「こういう時不便だから、そうだ、こういう道具があったら便利かも!」と、時々思いついているのですけど、「あー、でもそんなの自分じゃ作れないしなぁ」と思ってあきらめていることがあります。ほんと残念です。

 

ですが、そんな悩みとももうお別れです。

この記事は、なんと「モノ作りも個人でできるようになっちゃいましたよ♪」という衝撃的なお話なのです!

私たちが知らないうちに、ロボット工場のクラウド化が進んで、「個人が工場の設備を間借り」できる世の中になってきているそうです(詳細は先方の記事の方を御覧ください)。

だから、「こんなモノあればいいのになぁ」と思ったら、「じゃあ作ってもらおう!」ということができるようになっちゃうのです。

 

ああ、ほんとに素晴らしいなぁと思う一方で、id:souheinaoshimaさんも言われるように、空恐ろしいなとも思うのです。

 

 

  ◆

 

 

個人が本を書いて直接市場に出版したり、個人がモノを作って直接市場に販売したり、こういうことができるようになると、やはりまず影響を受けるのはもともとその流れを生業としていた出版業界あるいは工業界の方々です。

 

「俺たちを無視して本やモノが流れるようになったら商売上がったりだ。困る!」

 

おそらく、こう言われるはずです。

 

で、世の中の悪いクセなのですけど、こういう時に「電子書籍に規制をかけたり」「クラウド製造に税金をかけたり」「出版社や製造会社に補助金を出したり」し始めます。だいたい「その業界で働く人の生活を保つため」というお題目です。

いかにも正論っぽいのですけれど、ちょっと考えてみて下さい。

 

 

 仕事、多分ありますよ?

 

 

例えば、個人が一人で執筆して「よーし、できた!」と言って出版する・・・この行為そのものは確かに簡単にはなるのですけれど、「良い作品を出版する」となるとどうでしょうか?初めて本を書くような人が、何となくこんな感じかなと思って書いた本・・・構成や表現など、やっぱりどうしても素人らしい落としが出るのは否めないでしょう。

 

そもそも、私たち読者側はあまり実感してないのですが、本というものは「筆者の作品」というより、「筆者と編集者の合作」とも言うべき代物で、かなり編集者さんの力に依るところは大きいそうです。

執筆というのは、自己の内面を抽出するような作業ですから、おそらくどうしても独りよがりになりがちです。そんな筆者の作品に、第三者として「より良い本」あるいは「より売れる本」になるように適切なアドバイスをくれる、編集者とはそんな欠かせない存在なんだそうです。良い本を書こうと思うなら、どの出版社かではなくどの編集者かが大事とも言われるようです。

(ほんとのところは作家じゃないので知りません・・・受け売りです!)

 

ですから、個人執筆時代となっても、みんなやっぱり「より良い本」を書きたいわけですから、編集のニーズは出てきます。そこに仕事ができてくるんです。下手をすると、編集者さんたちは今までよりも仕事が増えるかもしれないとさえ思います。

 

 

モノ作りも同じです。

素人さんが思いつくアイディアモノは、発想は面白かったとしても、素材の選び方とか、耐久性への配慮など、おそらく色んなところが欠けているはずです。それをいきなり商品として出すことそのものはできたとしても、「良いモノ」「売れるモノ」になるかと言うとかなり怪しいでしょう。

ですから、製造業のプロの人たちは、そこで相談を受けるというニーズが出てきます。依頼者(個人)のアイディアを踏まえて、プロとしてより良くなるであろう案を提案していく、そういう仕事が増えると思います。

自分のアイディアがカタチになるという夢の様な話です。その製品は自分の分身のようなモノといっていいでしょう。やっぱりみんな作るからには「良いモノ」作りたいはずと思うのです。

 

 

ですから、今の出版業界や工業界の方々の仕事自体は、案外減らないと思います。

ただ、やはり流通や製品化の形自体が変わってしまうというのは大きな変化には間違いなく、先程のような編集の仕事のニーズが上がる一方で、印刷・卸し・販売などの部門の仕事は激減するかもしれません。

 

良くも悪くも、出版社は本を作る過程、企画~販売までを総合的に扱うことで形をなしている企業です。もし、こんなにも「編集」のニーズだけ高くなってくると、編集者が出版社の中にとどまっている必要が無くなります。出版社の中にしか「編集」という仕事が無かったから出版社の中にいたのに、今後は外にしか「編集」の仕事が無くなってくるわけで、もはや中に居る理由が無いのです。

 

だから、きっと、編集者は独立してフリーになる人が出てきます。複数の編集者で組織された編集会社を作るのもいいかもしれません。

「色んな個人執筆者の作品をベストセラーにのし上げた敏腕編集者」や「依頼者満足度No.1!あなたの理想の本を作るドリーム編集者」などを目指し切磋琢磨を始めることでしょう。

 

工場の製品アドバイザーも同様で、そのような能力を持った人たちが独立していく一方で、きっと会社の方は分解・縮小していくことになります。

 

 

  ◆

 

 

このように、執筆やモノ作りの個人化が進むと、きっと、それに応じて編集やコンサルティングの能力を持った業界人も独立・フリーエージェント化していきます

出版社や製造会社といった大きな会社がポロポロと崩れていって、市場には依頼者も業者も個人・個人と、フリーエージェントたちがあふれる未来も遠くないかもしれません。

 

それはちょっと寂しいことはあるかもしれないですけれど、でも、多分悲しむことではないんです。

「時代の流れ」というものなんだと思います。

 

だから、「電子書籍に規制をかけたり」「クラウド製造に税金をかけたり」「出版社や製造会社に補助金を出したり」とかの後ろ向きな対抗策はやっぱりなるべく無しでいって欲しいなと思います。

「その業界で働く人の生活を保つため」と言うかもしれませんけど、ほんとは「その業界のシステムや企業を保つため」じゃないでしょうか?

お願いですから、こういう時は、形より、中身や人間を大事にして欲しいなと思うんです。

 

もちろん、中で働いている人にとっても一時混乱は避けられないかもしれませんが、でもきっと仕事が無くなるわけではありませんし、新しい働き方も、けっこう魅力的なんじゃないかなと思います。

 

 

  ◆

 

 

テレビをつけたら、医局に依らない一匹狼敏腕外科医のドラマをやってました(参考)。

 

そういえば、日本プロ野球のドラフト指名を断って、単身、大リーグに入りたいと宣言した高校球児もいました(参考)。

 

ドラマも視聴率は良いようですし、高校球児の子も賛否両論ではありますが、応援の声は大きいようです。

どちらも古くからの体制にこだわらず、自分らしい生き方を自由に選んでいる、そんな方々です。

創作でも現実でも、こういう現象が上がってくるということは、みんなの中にも「時代の変わり目」の体温が上がってきている兆しではないでしょうか。

 

今のところは、まだまだ、未来予想図でしかないのですけれど、「フリーエージェントたち」の登場への足音は少しずつ近づいている今日この頃なのかもしれません。

 

 

 

MAKERS―21世紀の産業革命が始まる

MAKERS―21世紀の産業革命が始まる

 ↑読んでないですが、id:souheinaoshimaさんの受け売りで。きっと読みます!

 

 

 

P.S.

アイディア商品出してみたいー・・・んですけど、今まで思いついたものは全部忘れちゃいましたねぇ;; (⇦言い訳?)